さいごの バス

よるの 十じ。町の バスは、みんな しゃこへ かえって いきます。

いちばん さいごに はしるのは、あおい 十ばんバスです。うんてんしゅは やまださん。まるい めがねを かけて います。

十ばんバスは、かえる まえに バスていを ひとつずつ まわります。のりたい 人が のこって いないか、たしかめるのです。

ひとつめの バスてい。

ぷしゅう、と ドアが あきました。

だれも いません。ベンチの 上で、ねこが まるく なって ねて います。

「おやすみ」と、十ばんバスは いいました。

ねこは 耳を ぴくっと うごかしました。

ふたつめの バスてい。

ぷしゅう。

だれも いません。ジュースの きかいが、ぶうううん と ひかって います。

「おやすみ」

ジュースの きかいは、こたえる かわりに、ことん、と なにかを おとしました。やまださんが みに いくと、なにも でて いません。きかいも、ねごとを いうのかも しれません。

みっつめの バスてい。

ぷしゅう。

だれも いません。大きな 木が、かぜに さわさわ ゆれて います。

「おやすみ」

木は 下の ほうの はっぱを 一まい、バスの やねに おとしました。

「さあ、おしまい。かえろう」と やまださんが いった とき です。

よっつめの バスていに、だれかが たって いました。

くらくて よく みえません。やまださんは バスを とめて、ドアを あけました。

ぷしゅう。

たって いたのは、ちゃいろい ふくろうでした。

「しゃこまで おねがいします」

ふくろうは そう いうと、はねで どんぐりを 一つ さしだしました。

やまださんは めがねを なおして、どんぐりを よく みました。

「ちょうど ですね。おつりは でません」

ふくろうは いちばん うしろの せきに すわりました。バスが はしりだすと、まどの そとを 見て、ほう、と 一ど ないただけでした。

しゃこに つきました。

ならんで ねむって いる バスの あいだに、十ばんバスも そっと はいります。ぷすん、と エンジンが とまって、あかりが ひとつずつ きえて いきます。

ふくろうは バスを おりると、しゃこの やねへ とんで いきました。そこが、ふくろうの いえなのです。

やねの 上から、ふくろうは ならんだ バスを 見おろしました。

一だい、二だい、三だい……。

十ばんバスまで かぞえると、「ほう」と ひとつ ないて、ふくろうも 目を とじました。

おやすみなさい。

読み終えて、どうでしたか

保存する・アプリで読む LINEで送る

アプリでは、毎日新しい物語が届きます。

← 前の話ねむれない ひつじ

この話を読んだ人におすすめ

創作こども約2分

おつきさまの おるすばん

くもりの よるは、おつきさまが おるすばん。まどから だれも みてくれません。

創作こども約2分

おやすみを いいわすれた ぞう

どうぶつえんの ぞうの パオは、ねる まえに だいじな ことを おもいだしました。

創作こども約2分

ゆげの ふわり

おふろの ゆげの ふわりは、空の くもに なりたくて しかたが ありません。ある よる、まどが すこし あいて いました。

創作こども約5分

ムギの よるの さんぽみち

ねこの ムギは、よるに なると どこかへ でかけて いきます。みおは そっと あとを つけて みる ことに しました。

創作こども約4分

あてなの ない てがみ

あてなに なまえの ない てがみが とどきました。「もりで いちばん はやく ねる ひとへ」。チクタは さがしに でかけます。

創作こども約2分

くつしたの かたっぽ

せんたくものの なかから、くつしたが かたっぽ いなくなりました。どこへ いったのでしょう。