泣ける話・感動する話の短編集

1日1話、3分で読める短い物語。家族、恋愛、友情、動物、仕事、別れ。全230話を無料で読めます。

気分からさがす

泣ける話心温まる話くすっと笑えていい話元気が出る話眠れない夜に読む話大切な人に会いたくなる話

新しい物語

183
創作家族約3分

四十五センチ

父は歩くのが速い。結婚式で一緒に歩くとき、一歩を四十五センチにしてくださいと、式場の人に言われた。

182
創作家族約3分

レシートのうら

母はいつも、レシートの裏に書き置きを残していく。高二の僕は、一度も返事を書いたことがない。

181
創作動物約3分

一万二千歩

柴犬のコテツとの散歩は、若いころ一万二千歩あった。台所のカレンダーには、十四年ぶんの歩数が書いてある。

180
創作家族約4分

カレンダーの「ス」

台所のカレンダーに、月に何回か「ス」とだけ書いてある。父はスーパーの特売の日だと言う。でも、その店は水曜が定休日だ。

179
創作挑戦約5分

新聞読んではります

小六の孫と一緒に、六十二歳で英検三級を受けることになった。筆記は受かった。問題は、英語で話す二次の面接だった。

178
創作学校・先生約5分

代講、六日間

英語の先生が研修でいない六日間、三年二組の英語を、英語が大の苦手な五十五歳の数学教師が受け持つことになった。

177
創作動物約4分

うちの曹長

大学三年の夏、家賃三万八千円の六畳に、手のひらほどのクモが出た。調べると、ネットでは「軍曹」と呼ばれて崇められているらしい。

176
創作恋愛・夫婦約4分

羽根つき

結婚して六十一日目の日曜の夜。餃子を羽根つきにするかどうかで、夫婦ははじめて本気でもめた。

175
創作仕事約3分

合鍵、一本

スーパーの一角にある小さな合鍵屋。山がすり減って丸くなった古い鍵を一本持って、七十代の女性がやってきた。

174
創作友情約4分

鮭をくわえた熊

親友が新婚旅行で買ってきた木彫りの熊。「いらん」と言ったあの日から二十二年、熊は二人の家を黙って行ったり来たりしている。

173
創作別れ約4分

家の電話を解約する日

昭和四十三年から五十八年使った家の電話を、やめることにした。回線が止まる正午の前に、七十九歳はスマホでその番号を押してみた。

172
創作見知らぬ人約3分

燻製の本のあいだ

図書館の「ご自由にお持ちください」の棚でもらった燻製の入門書。ページのあいだに、知らない二人のメモが九枚挟まっていた。

171
創作家族約4分

父の豆知識は九割うそ

父の言う豆知識は、だいたい嘘だ。大学入試の朝、会場まで車で送ってくれた父が、降りる直前にまた何か言い出した。

170
創作学校・先生約3分

二年三組の時計

中学二年三組の学級日誌。日直が毎日一行ずつ書き、担任が赤ペンで返事をする。十月のあるページから、教室の時計の話が始まった。

169
創作挑戦約3分

カツ丼二・五キロ

三十分で食べきればタダ、写真が壁に貼られる。体重五十二キロの高二が、商店街の定食屋のチャレンジメニューに挑んだ。

168
創作動物約3分

帰舎時刻

岩手から放たれた六羽のレース鳩。栃木の屋根の上で、六十八歳の男が帰りを待っている。

167
創作恋愛・夫婦約4分

義実家メモ

結婚して最初の正月、夫の実家は大分の山の中。三日間で覚えた決まりごとを、妻はスマホのメモに書きためた。

166
創作家族約2分

一日四百十二円

仙台で一人暮らしを始めた十九歳の息子。その家計簿を、父は居間のタブレットで見てしまった。

165
創作仕事約3分

百八十六段

長崎の実家の米屋を手伝うことになった。最初の配達先は、車の入らない坂の上。五キロの米を担いで階段を上る。

164
創作学校・先生約3分

プール開放、十四日間

夏休みの小学校のプール開放。監視台の先生の前に、毎日水着で来て、一度も水に入らない二年生がいた。

連載・長編

連載

閉店まで、あと十日

閉店が決まった町の写真館。最後の十日間に来た客たちと、ショーウィンドウに五十五年飾られていた一枚の写真。

長編

返事は、港で

小学四年で横浜と奄美大島に離ればなれになった二人の、二十年分の手紙。No.66 の返事は、二年来なかった。