ねむれない ひつじ
ねむれない よる、にんげんは ひつじを かぞえます。
ひつじが 一ぴき、ひつじが 二ひき。
かぞえられる ほうの ひつじは たいへんです。よばれたら さくを ぴょんと とびこえて、また つぎの いえへ いそぎます。
ひつじの メエは、この しごとを して 三ねんめでした。
ある よる、しごとが おわって、メエは まきばに かえって きました。もう へとへとです。わらの うえに よこに なって、めを つぶりました。
ねむれません。
あしが まだ ぴょんぴょん したがって います。あたまの なかで、いち、に、さん、と だれかの こえが きこえるようです。
「こまったなあ」
メエは となりの ひつじの モコを おこしました。
「モコ、ねむれないとき どうしてる?」
モコは ねぼけた こえで いいました。「にんげんを かぞえるの」
「にんげん?」
「うん。にんげんの こどもが ひとり、ベッドに はいる。にんげんの こどもが ふたり、ベッドに はいる……」
そう いうと、モコは もう ねて しまいました。
メエも やって みました。
にんげんの こどもが ひとり、パジャマを きて、ベッドに はいる。
にんげんの こどもが ふたり。はを みがいて、ベッドに はいる。
にんげんの こどもが さんにん。えほんを よんで もらって、ベッドに はいる。
にんげんの こどもが よにん。「おやすみ」と いって、でんきを けす。
……メエは、とちゅうで かぞえるのを やめて しまいました。ねむって しまったのです。
さて。いま これを きいている あなたは、なんにんめの こどもでしょう。
もう ベッドに はいりましたか。
メエが、まきばで かぞえて まっていますよ。
読み終えて、どうでしたか