くつしたの かたっぽ
はるとくんの くつしたは、みどりいろで、かかとに きいろい ほしが ついています。
にちようびの よる、おかあさんが せんたくものを たたんでいると、ほしの くつしたが かたっぽしか ありません。
「あれ、もうかたっぽは?」
はるとくんも さがしました。かごの なか。ソファの すきま。おふろばの まえ。どこにも いません。
そのころ、もうかたっぽの くつしたは、ベッドの したに いました。
せんたくきから でるときに、ぴょんと とびだして、ころころ ころがって、ここまで きてしまったのです。
ベッドの したは まっくらでした。ほこりが ふわふわ うかんでいます。
「だれ?」
ふわふわの なかから、ちいさな こえが しました。まるくて はいいろの、ほこりの かたまりでした。
「ぼくは くつした。かたっぽの ほう」
「ふうん。ぼくは ほこりの ポコ。ここに もう 三かげつ すんでる」
ポコは ベッドの したを あんないして くれました。
いつかの ビー玉が ひとつ。あかい クレヨンの おれたのが 二本。ぎんいろの あめの つつみがみ。
「みんな、ここに きて かえれなくなったんだ」
くつしたは すこし こわくなりました。
「ぼく、かえりたい。もうかたっぽが まってるから」
「かえりかたは ひとつだけ」とポコは いいました。「そうじきの おとが したら、いちばん まえに でておくんだ。すわれたら だめだよ。すわれる まえに、てで つかまえて もらうの」
つぎの ひの あさ。ぶおおおおん、と おおきな おとが しました。
くつしたは いっしょうけんめい まえに でました。ほこりの ポコは、うしろで「はしっこ! はしっこ!」と さけんでいます。
そうじきの くちが ちかづいて きました。
そのとき、おかあさんの てが ベッドの したに にゅっと はいって きました。
「あった! はると、あったよ! ビー玉も クレヨンも でてきた」
くつしたは、もうかたっぽの となりに ならびました。ほしが ふたつ そろいました。
ポコは どうなったかって?
ポコは すわれました。
でも だいじょうぶ。そうじきの なかは、ほこりの なかまで いっぱいで、けっこう にぎやか なのだそうです。
読み終えて、どうでしたか